キャシー・クラレ

「バニラとココナッツ」

Cathy Claret “Vanille et Coco”(仏語読み:ヴァニーユ・エ・ココ)

1990年代、「渋谷系」アーティストに大きな影響を与えた、ウィスパー・ボイスの歌姫、 キャシー・クラレが放つ、最高にキャッチーでスウィートなフレンチ・ポップ!

■楽曲について

1960年代の古き良きフレンチ・ポップにリスペクトしつつ、そこに現代的なサウンドを加味した、キャシーならではのフレンチ・ポップが生まれました。
この曲に関してキャシーは、「メランコリックな歌詞で歌われるこの曲を、明るく輝くサウンドで表現したいと思いました。不当な戦争に満ちたこの世界に抗うために、どこか楽観的で、明るい光が感じられるものにしたかったのです。私の好きな、フランソワーズ・アルディ、アストラッド・ジルベルト、セルジュ・ゲンスブール、クロディーヌ・ロンジェらにリスペクトを寄せながら」とコメントをしています。


■キャシー・クラレ プロフィール

パリで生まれ、その後、南フランスのニームに移り住む。
幼少期から思春期まで家族と一緒にバルセロナ、セビージャ、マドリッドなど3大陸29都市を転々とし、転校は20回以上に及ぶ、ボヘミアンのような暮らしをしていた。その後、母親が若くして亡くなり、父親と放浪を繰り返す中、16歳の時にフランスとスペインを行き来する、ロマの大家族に「10人目の娘」として迎え入れられ、18歳の時、大家族と共にスペインに拠点を移した。
キャシーが音楽にどっぷり浸かる生活をスタートさせたのは、ロマの大家族に出会ってからである。ロマが奏でる音楽に興味を持ち、16歳でフルート、続いてエレキベースと独学で次々と楽器をマスターして行く。その後、オリジナル曲のデモテープをヴァージン・フランスに送り、1987年に同レーベルよりデビューする。
彼女の音楽を個性付けているのは、そのウィスパー・ボイスであり、カヒミ・カリィが最も影響を受けたアーティストと公言している。日本ではベルギーのクレプスキュール・レコードからリリースされた1990年のアルバム「あなたに」と、91年のアルバム「風に抱かれて」で広く知られるようになり、91年には初来日を果した。
1990年代前半にブームとなった“渋谷系”の音楽シーンでも、そのウィスパー・ヴォイスは注目を集めた。
世界的にはフラメンコ界の大スターであるライムンド・アマドールとB.B.Kingがキャシーのオリジナル曲「BOLLERE」をカヴァーして大ヒットを記録。
2018年にはアルバム「プリマベーラ」、2022年にはアルバム「これがわたし」をリリース。
現在も世界中からリスペクトされるウィスパー・ヴォイスの歌姫として、精力的に活動中。


■ 「バニラとココナッツ」歌詞対訳

雨降りが好き
涙あふれて
頬を伝っても
涙の滴(しずく)
雨ににじみ
誰も気づかない

生きるってほんと大変
みんな 無関心
なぜなの 教えて
みんな 無関心

*風吹けば ココナッツの香り
バニラ シナモン ココナッツ
風に薫るは
バニラ ココナッツ
風に運ばれ 旅心

 風吹けば ココナッツの香り
バニラ シナモン ココナッツ
風に薫るは
バニラ ココナッツ
風に運ばれ 旅心
連れて行ってよ 遠くへ

雨降りが好き
涙あふれて
頬を伝っても
涙の滴(しずく)
雨ににじみ
わたしの心

チュ リュ チュ チュ チュ
誰も気づかない

チュ リュ チュ チュ チュ
誰も気づかない

*繰り返し

風に薫るは
バニラ ココナッツ
バニラ シナモン ココナッツ

*繰り返し

対訳:人見有羽子