イタリアン・ロンディネッラ・カルテット

「アムルサンツァ~溢れる愛と優しさと~」

Italian Rondinella Quartet “Amurusanza”

 イタリアン・ロンディネッラ・カルテット「アムルサンツァ~溢れる愛と優しさと~」
魂を揺さぶる感動の歌声!南イタリアの伝承歌を今に伝える、珠玉の作品!


■アルバム内容

このアルバムは、優しさ、愛、そして南イタリアの伝承歌の美しさへの賛歌です」──エンツァ・パリアーラ

2021年2月17日リリースのファースト・アルバムに続く、セカンド・アルバムです。

今作についてボーカリストのエンツァ・パリアーラは次のように述べています。
「イタリアの伝統音楽に対する私の情熱から、南イタリアを中心とした、様々な地域の伝統音楽のレパートリーを20年以上に渡り、探究して来ました。
日本のリスナーの皆さんには、イタリアの様々な地域のリズムや、旋律の違いを発見してもらえれば、面白いのではないかと思いました。
今回、私が知っている大規模な曲の記録から選曲しました。特に、南イタリアに伝わる伝統的な口承歌、元々はアカペラで歌われていた場合もある歌を、現代的にアレンジし、リメイクすることにより、多くのリスナーに届けられればと思いました。南イタリアの伝承歌に込められた思い、メッセージを是非伝えたかったからです。」

2020年のコロナウィルスによるパンデミックの直後から本作の制作がスタートしました。
エンツァの選曲したリストを元に、メンバー全員で相談し、収録曲を決め、パーカッションのルイジ・モルレオが編曲の作業に入りました。編曲は、伝統性と現代性のバランスの良い融合を基調としました。
その後、移動制限の為、制作は止まってしまいましたが、2023年に入り、ようやく形になったのが本作です。

「今回、南イタリアの伝承歌を、私は心を込めて歌いました。そしてそれは、“地球のために歌う”という感情へと昇華して行ったのです。
今作で収録した歌は、慌ただしい現代に於いて、私たちが人間らしく繫がる事が出来る普遍的な感情、愛と優しさ、の大切さを伝えており、それは、地球を母のように愛することにも繋がるのではないか?と思いました。イタリアは、それぞれの地域で、言葉や音楽が違います。独特の雰囲気、リズムを持つ、南イタリアの音楽に触れて頂き、その魅力を感じて頂ければ嬉しいです。」(エンツァ・パリアーラ)

長きに渡り歌われて来た、南イタリア伝承歌。そこに込められた思いを、新たなるアレンジの元、今に伝えるのが本作であり、気候変動や、紛争など、様々は事象が起こる現代にこそ、その思いを伝えたいと制作されました。


■収録曲(全曲編曲:ルイジ・モルレオ)

試聴 クリックでウインドウが開きます。

①Tammurriata del Vesuvio ヴェスヴィオの踊り
(カンパニア/ナポリ語)
原題のTammurriataは、カンパニア州伝統のタンバリンと共に演奏される歌とダンスの事です。歌詞の後半では、義母が、息子が小さかった頃は、あなたに息子をあげると約束したのに、大きくなったら自分とは結婚させたくないと言われた、と歌い込まれています。恋する若者が愛する人を思いながら歌う歌です。
②Lu nigghje 'n aria va トビは空高く舞う
(バジリカータ/ルカーニア語 ※バジリカータ州で話される古い方言)
両親たちが、自分の娘を誰のところに嫁がせようか思い、悩んでいます。
③'Ntunucciu 若き青年アントニオ
(プーリア/サレント語)
「愛する人を永遠の眠りへと導く葬送曲。この歌は死を乗り越える愛について、私たちに語りかけています」(エンツァ・パリアーラ)
④A spuntunera 街角のセレナータ
(カラブリア/カラブリア語)
恋する若者が、愛する人の美しさを歌う、愛を讃える歌です。
⑤Riciclare NoAltRight リサイクルと生きる権利
この曲のみ、パーカッション奏者のルイジ・モルレオのオリジナルです。また、アルバム唯一のインスト曲。「リサイクルをすることにより地球の環境を守り、また、全て人々が持つ様々な権利を侵害しない。この2つ事は、事象は違うように見えても、どちらも世界をより良くする為に必要なものです」(ルイジ・モルレオ)
⑥Oriamu rindineddha 僕の愛しい小さなツバメ
(プーリア/グリコ語)
青年が、海を渡ってきたツバメに、自分の帰りを待つ両親や親しい人の近況を問い掛けています。懐かしさと期待感が呼び起こされる歌です。
⑦La rustagghjia 小鎌
(サルデーニャ/サルデーニャ語)
サルデーニャ民謡とされていますが、エンツァさんの研究で実はコルシカ島がオリジナルと判明しました。コルシカから海を渡ってサルデーニャ島に伝わったという事が、大変興味深いです。シモーネの小鎌が誰かに盗まれ、司祭が小鎌の大切さを述べ、早く返すように教会で話している様子が歌い込まれています。献身と情熱について語り掛けて来る歌です。
⑧Suennu suennu 眠り
(プーリア/サレント語)
「この歌は私にとって、とても大切な歌です。幼い頃に母に歌ってもらった歌なので、他のどの歌よりも心に残っています。この歌を歌うたびに、私は肉体ではなく、魂そのものとなります」(エンツァ・パリアーラ)母性愛の温かさと安心感を喚起させる歌です。
⑨A la nicusiota ニコジーア風の
(シチリア/シチリア語)
ニコジーアはシチリアの町の名前です。恋する若者が、愛する人への思いを込めた歌です。「あなたの美しさを手に入れるために 僕の心はもう一生眠らない」と歌い込まれています。


■イタリアン・ロンディネッラ・カルテット メンバー

マウロ・スクイッランテ(マンドリン)
カンパニア州ナポリ生まれ。ナポリ・マンドリン・オーケストラのリーダーであり、ナポリ・マンドリン・アカデミーでも教鞭を取る、“マンドリンの伝道師”。 「彼の優れたマンドリンは、イタリア音楽の伝統を新たな高みへと引き上げました」(エンツァ・パリアーラ)
サンテ・トゥルジ(ギター)
プーリア州バーリ生まれ。1990年東京国際ギターコンクールで優勝した、イタリアを代表するギタリスト。2020年5月リリース作品「ナポリ、想いあふれて」が好評を博しました。
ルイジ・モルレオ(パーカッション)
プーリア州メザーニェ生まれ。イタリアを代表するパーカッション奏者のみならず、作曲家としても活躍。伝統音楽から、ロック、クラブミュージックに至るまで、八面六臂の活躍を続けています。バーリ・ソサエティ・オブ・コンサート・オーケストラのティンパニ奏者として、来日もしています。本作収録曲全曲の編曲を担当。
エンツァ・パリアーラ(ボーカル)
プーリア州トルキアローロ生まれ。イタリアを代表するシンガー、ソングライターとして、自身のアルバムのみならず、ルドヴィコ・エイナウディのアルバムに参加するなど、多くのミュージシャンと共演しています。南イタリアの民間伝承歌の研究者であり、またイタリアの音楽シーンの象徴的存在でもあります。数多くの音楽プロジェクト、映画、ドキュメンタリーにも参加し、イタリアの民間伝承歌の保存とPRに貢献しています。