マウロ・スクイッランテ&サンテ・トゥルジ

「Inverno(インヴェルノ)〜イタリアの冬〜」

イタリアの四季シリーズ③

マウロ・スクイッランテ&サンテ・トゥルジ「Inverno〜イタリアの冬〜」
「イタリアの四季」四部作の第三弾「Inverno〜イタリアの冬〜」
14編の詩情溢れるイタリアの多彩な冬の風景を伝えます。

ナポリ・マンドリン・オーケストラのリーダーにして、イタリアを代表するマンドリン奏者マウロ・スクイッランテと、1990年の東京国際ギターコンクールの優勝者であり、イタリアを代表する奏者サンテ・トゥルジによる素晴らしきアンサンブルをお聴き下さい。


■本作によせて

多分、冬は最もスピリチュアルな季節だ。
自然は眠り、日は短く、そして人は深く静かに思いを巡らす。
クリスマスは季節の中心、魂と心が真に再生し、太陽が再び力を取り戻し、蘇った光がきらめき出す。一方、復活祭は自然が目覚める一歩手前であり、まさしく薄暗い季節がここで終わる。人々は、寒く長い冬から解き放たれた喜びを、一年に一度だけ乱痴気騒ぎを許されたこの場所で爆発させる。だから、冬は暗闇から光輝く場所への通過地点であり、古いものが消え去り新しいものが生まれる季節と言えるだろう。
今回のCDで私たちは、冬の寒く灰色の世界に焦点を当てるだけではなく、鮮やかでパワフルなイタリアの冬の最も異彩を放つ瞬間(例えばカーニヴァル)も伝えられればと思い制作した。

──マウロ・スクイッランテ


■本作について

ヴィヴァルディの「冬」「パストラーレ」、ルイジ・モルレオの「冷たい雪」などイタリアの冬に根差した様々な楽曲を収録。
本作では、マンドリンとギターの、時にアグレッシブで時に静謐なアンサンブルが大変表情豊かであり、聴き応えがあります。
冬は静かな季節でありながらも、クリスマスや新年、そして冬の一大イベントであるヴェネツィアのカーニヴァルなど様々な行事がある、にぎやかな季節でもあります。まさに冬の静と動をうまく表現したのが本作であり、イタリア独特の冬の風景が音の向こうから立ち上がって来ます。


■収録曲

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01. Corteggio di maschere(仮装行列作品211番)
作曲:ベルナルディーノ・ランツィ
この曲のタイトル「コルテッジョ・ディ・マスケレ」は、謝肉祭(カーニヴァル)時期(ヴェネツィアのカーニヴァルは2月初旬であり、冬の風物詩)にイタリア各地で見られる多彩な仮面で彩られたパレードのことです。
02. La danza(歌曲「ラ・ダンツァ」)
作曲:ロッシーニ
没後150年を迎えた作曲家ロッシーニに是非オマージュを捧げたく収録しました。
03. Largo dall’inverno(冬)
作曲:ヴィヴァルディ
このCDには欠かせない「四季」からの1曲です。
04. Variazioni sul guarracino(グアッラチーノの変奏曲)
作曲:アントネッロ・パリオッティ
冬の冷たく荒れた海に立ち向かい、私たちの食卓に魚を届けてくれる船乗りたちに思いを馳せながら録音された曲です。
05. Carnevale di Venezia(ヴェネツィアの謝肉祭)
作曲:カルロ・ムニエル
喜びに沸くヴェネツィアのカーニヴァルの有名な主題を変奏曲にしました。
06. Pastorale(パストラーレ)
作曲:ヴィヴァルディ
牧草地の描写が美しいこの曲は、クリスマス・シーズンに似合う曲です。この曲の振り付けはキリストの生誕を表現した模型「プレゼーピオ」と密接に関係しています。
07. Vigilia di Natale(クリスマス・イヴ)
作曲:アメデオ・アルフィエーリ
マンドリン演奏曲集のレパートリーから選ばれた美しいこの曲は、子どもたちがサンタクロースからのプレゼントを待つクリスマス・イヴの情景を描いています。
08. Nei fiocchi tra il freddo(冷たい雪)
作曲:ルイジ・モルレオ
ギターのアグレッシブな演奏が印象的なこの曲は、マウロ・スクイッランテの旧友にあたるルイジ・モルレオの作品です。
09. Il canto del pupazzo di neve(雪だるまの歌)
作曲:ジュゼッペ・カウザ
雪だるまに捧げる“雪の音楽”として大変印象的な曲です。
10. Tarantella di Santa Lucia(サンタ・ルチアのタランテッラ)
トラディショナル曲
聖ルチア(シラクサのルチア、イタリア語ではサンタ・ルチア)の日である12月13日は、伝統的に冬の始まりの日とされています。
11. Invierno porteno(ブエノスアイレスの冬)
作曲:アストル・ピアソラ
南イタリア出身の家族の元で生まれたアストル・ピアゾラにリスペクトを捧げて、サント・トゥルジの見事なギター演奏でお届けします。
12. Sfessania(ナポリ謝肉祭の踊り)
マウロ・スクイッランテ
1600年代のナポリの謝肉祭で踊られていた挑発的で甘美な踊りをモチーフにして作曲された、本作の為のオリジナル曲です。
13. Vierno(冬)
作曲:ヴィンチェンツォ・アカンポーラ
“失恋した私の心は悲しく、まるで冬のように凍えている”と歌われる歌詞がこの曲には付いています。1945年のヒット曲。
14. Zampogne abruzzesi(アブルッツォのザンポーニャ)
作曲:ギョーム・コットラウ
「ノヴェナの祈り」を捧げるため、ナポリ近郊の山に住む人々は、クリスマスの時期には伝統楽器の「ザンポーニャ」を携えて街に降りてきます。その風景がモチーフとなっています。


■アーティスト プロフィール

マウロ・スクイッランテ(マンドリン):
ナポリ生まれ。20歳の時にマンドリンを始め、以降マンドリンの普及に努める。閉鎖されていたナポリ・マンドリン・アカデミーを復活させ、そこで育った優秀な精鋭たちで編成されたナポリ・マンドリン・オーケストラは世界中でコンサートを行うこととなった。2018年7月には初来日を果し、全国6ケ所で公演を行い大絶賛を博した。現在も自身のコンサートとマンドリンの普及を精力的に続けている。

サンテ・トゥルジ(ギター):
イタリアのプッリャ州の州都バーリの生まれ。セゴビア、東京、ドイツ、ポーランド、スペイン、ペルー、アルゼンチン、ルーマニア、チリ、イギリス、ロシア、メキシコなど世界中でコンサート活動を行っているイタリアを代表するギタリスト。1990年東京国際ギターコンクール優勝者として日本でも人気がある。