演奏:和楽アンサンブル

「和カフェ~和楽器よる夏の歌~」

「和カフェ~和楽器よる夏の歌~」
大好評! 純邦楽アンサンブルによるJ-POPカヴァーアルバムの夏編が登場!
冷えた麦茶と共に楽しみたい、和カフェミュージックの決定盤!
J-POPの大ヒット曲に加えて、「越中おわら節」、夏の唱歌メドレーも収録。

演奏:和楽アンサンブル
佃康史(尺八・笛)、杉浦充(琴=箏:十三絃・十七絃・二十絃)、上原潤之助(三味線=細棹・中棹・太棹)、木場大輔(胡弓)、長田伸一郎(邦楽打楽器)


■本作について

近年静かなブームである「和」。抹茶ラテ等、和と洋をミックスしたものが多数登場しています。
その様な世相を反映して誕生した、“和楽アンサンブル”。このユニットは、純邦楽の若手実力派達が、日本人でありながらあまり聴く機会のない和楽器の魅力と、その響きの美しさに、より気楽に触れてもらいたいとの思いから結成しました。本作から和楽器と純邦楽に関心を持つ方が増えて行けばうれしく思います。
また、カフェ・ミュージックというジャンルが出現し、定着しましたが、和のインテリアや飲食に合うカフェ・ミュージックとして、この“和カフェ”シリーズが定着すればと考えております。
今作は2010年3月3日リリースの「和楽器による春の歌」に続くリリース第2弾です。
2曲目の「夏祭り」には長唄の「大薩摩」、8曲目の「花火」には下座音楽の「佃の合方」を挿入する等、随所に邦楽の隠し手を盛り込む等、聴き応え十分なアレンジを施しています。
さらにアレンジに関しては、洋楽器でのアレンジをそのまま和楽器に当てはめるのではなく、あくまで和楽器の特性を生かして、再構築しました。
今後このシリーズは「和楽器による秋の歌」「冬の歌」に続いて行きます。日本発のカフェ・ミュージックにご期待下さい。


■収録曲

試聴 クリックでウインドウが開きます。

1. 少年時代
井上陽水作の1990年発表の作品。二十絃箏と胡弓のアンサンブルが美しい仕上がりです。
2. 夏祭り[「大薩摩」(長唄)入り]
Jitterin' Jinによる1990年発表の作品。和太鼓と三味線が大活躍するこの曲は。三味線ソロで歌舞伎で演奏される長唄の「大薩摩」、そして最後に三味線二挺により「すががき」という裏打ちのリズムで追いかける奏法が使われています。
3. 越中おわら節
富山県の民謡。胡弓をフューチャーした有名曲であり、毎年9月1日〜3日に行われる「風の盆」でも演奏されます。歌舞伎で使われる、掌に乗るほど小さな竹笛を数本並べた「虫笛」が演奏に使われています。
4. 夏色
ゆずの1998年発売の作品。十七絃の箏の伴奏に、尺八と三味線パートが絡み、そこに小鼓とかけ声が日本の夏を演出しています。
5. 真夏の果実
サザンオールスターズの名曲。二十絃・十七絃の箏と胡弓のアンサンブルが気持ちいい仕上がりです。
6. 童謡メドレー(夏は来ぬ〜海〜夏の思い出〜われは海の子〜椰子の実)
尺八の「夏は来ぬ」から中棹三味線の「海」、篠笛による「夏の思い出」、太棹三味線が低音を奏でる「われは海の子」、琴のアルペジオに尺八、胡弓、三味線が絡む「椰子の実」まで、多彩な仕上がりです。「海」では鳴物が川の流れや、水辺の風景を描写する際に使われる「波音(なみおと)」を演奏しています。
7. 浪漫飛行
米米CLUBの90年発表の作品。十七絃の低音に支えられて尺八が活躍しています。なお三味線が、川の流れや水辺の風景を描写するのに使われる「佃の合方」の手法をアレンジして演奏しています。
8. 花火[「佃の合方」(下座音楽)入り]
aikoが1999年に発表した作品。鳴物が川の流れや水辺の風景を描写する際に使われる「波音」と「花火的効果音」を演奏しています。さらに歌舞伎で隅田川の流れを表す三味線の「佃の合方」が挿入されています。
9. 渚のバルコニー
松田聖子が1982年に放ったヒット曲。ここで使われている胡弓は従来の三弦のものではなく、四弦に改良されたものを使っています。また箏も従来の十三弦のものではなく、二十弦のものを使っています。
10.RIDE ON TIME
山下達郎による1980年の作品。十七絃に乗せて篠笛がフューチャーされた仕上がりです。
11. シーズン・イン・ザ・サン
TUBEが1986年に発表した作品。和風ボサノバとも言える仕上がりのこの曲は、ざるに入れたアズキを揺らす波の音から、「ささら」と呼ばれる竹にたくさんの割れ目を入れた和風ギロなど、日本の鳴り物が活躍しています。

収録曲のコメントは本アルバムのライナーノート(森重行敏氏)から一部引用しました。



■メンバー プロフィール

佃 康史(つくだ こうし):
尺八・笛
東京都大田区出身。幼少の頃より、尺八奏者であり父でもある、佃一生に師事。 自身の活動も始め、津軽三味線第一人者「高橋祐次郎」率いる、「津軽楽奏団"KAZE"」へ参加。様々なジャンルのミュージシャンとセッションをしながら活動の幅を広げ、全国各地を公演。NHKなどにも多数出演する。海外公演にも力を入れ、10カ国、20都市以上を訪問。現在、ソロコンサートを中心に、「KAZE」や「民族楽団チャンチキ」のメンバーとして活動中。
杉浦 充(すぎうら みつる):
琴(箏:十三絃、十七絃、二十絃)
愛知県豊橋市出身。6歳から琴を始める。NHK邦楽技能者育成会34期修了。生田流箏曲正絃社准師範試験首席。オーディション合格、コンクール入賞を経て94年にプロとしての活動を開始。様々なユニットのメンバーとして国内外での演奏活動を続ける中、伝統的な十三絃の箏、地歌三絃、二十絃、十七絃による自作自演のライブ「独箏ひとりごと」をライフワークとしている。03、06、08年に自主製作CDをリリース。生田流箏曲「峰と海の会」主宰補。とよはし中日文化センター講師。
上原 潤之助(うえはら じゅんのすけ):
バンドマスター・三味線(細棹三味線、中棹三味線、太棹三味線) 東京都杉並区出身。民謡・端唄・俗曲をベースに、現代曲・長唄・津軽三味線・三線等、細分化された三味線界において、太棹・中棹・細棹・三線と、他三味線を自在に扱えることのできる数少ないマルチ三味線プレーヤー。現在は後進指導の傍ら、TV・ラジオ等の各メディアへの出演、CD録音、書籍執筆、また邦楽界にとどまらず、古典曲から現代曲・オリジナル・ジャズ・ロック・ブルース・ポップス・クラシック他、幅広い分野で演奏活動を展開している。コンサートプロデューサーとして企画・制作も行う。
木場 大輔(きば だいすけ):
胡弓
兵庫県淡路島出身。1994~95年、甲陽音楽学院にてジャズの音楽理論とピアノの実技を学ぶ。1998年より、胡弓を始める。2004年より名古屋系古典胡弓を原一男師に師事。オリジナル四絃胡弓を開発、箏やピアノとのユニット活動や、作曲家として和楽器ユニットに楽曲提供も行う。門弟の会「絹擦会(きぬずれかい)」を東京・大阪・高知にて主宰。NHKやJRのキャンペーンでの演奏や、2009年公開の映画「カムイ外伝」(崔洋一監督、松山ケンイチ・小 雪主演)に出演。 
長田 伸一郎(ながた しんいちろう):
邦楽打楽器
三重県津市出身。打楽器、和太鼓、現代邦楽奏者。名古屋音楽大学卒業。洗足学園音楽大学大学院修了。大学院在学中に西川啓光氏に邦楽打楽器を師事。また、長唄囃子を望月太喜之丞氏に師事。韓国李明博大統領就任祝賀式典への参加や、劇団四季への和太鼓指導。その他ミュージカル劇中音楽のレコーディングやテレビ出演、オーケストラ、ドラムス、学校公演など和洋東西を問わず多岐にわたって活動中。オーケストラアジア、和太鼓グループ鼓友会メンバー。TAIKO-LAB青山、浅草講師。